過払い金請求でよく聞くグレーゾーン金利とは?

過払い金請求でよく聞くグレーゾーン金利とは?

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2018.07.05

グレーゾーン金利とは?

グレーゾーン金利は、出資法で定められた上限利息と利用制限法で定められた上限利息の間の金利のことです。出資法ではかつて上限利息が利用制限法の上限利息よりも高かったのです。出資法の上限利息は平成22年6月17日まで29.2%と定められていました。

29.2%を超える利息を課してお金を貸し出した場合、貸金業者は懲役5年以下あるいは1,000万円以下の罰金が科されたのです。しかし、平成22年6月17日に出資法の上限利息は利用制限法の上限利息と同じになりました。

利用制限法での上限利息は、10万円未満は20%、10万円以上100万円未満は18%、100万円以上は15%と決まっています。利用制限法に関しては、罰則規定はありません。ですから、平成22年6月17日までは利用制限法の上限利息を超えて貸し出されることが普通に行われていたのです。

ところが、借入した人が返済困難になったり、自己破産する人が増えたりする社会情勢もあり平成22年6月17日に法改正となりました。平成22年6月17日以前は利用制限法を基に金利が決められていましたが、平成22年6月17日以降は貸金業法と出資法を基に金利が決められています。

利用制限法と出資法の上限利息に差異はありませんので、平成22年6月17日以降はグレーゾーン金利の金融商品はありません。グレーゾーン金利は平成22年6月17日までの利用制限法の上限利息を超えた分の利息を指しています。

グレーゾーン金利の対象者は1,000万人以上

グレーゾーン金利の分を返済していた人は1,000万人以上といわれています。これはキャッシング利用者が含まれているためです。クレジットカードでも簡単に行えるキャッシングの利用者は、全国に1,400万人以上いるとされています。実に労働人口の1/5です。

過払い金請求で払い過ぎた利息を取り戻す

グレーゾーン金利と過払い金請求がどうして関係しているかというと、平成22年6月以前に返済したグレーゾーン金利分が無効という最高裁判所の判決がなされたからです。

最高裁判所の判決では、グレーゾーン金利分の返済が無効にならないケースもあるとしています。しかし、最高裁判所は非常に厳しい判決を貸金業者に対してしました。ですから平成22年6月以前のグレーゾーン金利分が無効にならないケースは多くないのです。

そして、グレーゾーン金利分の返済が無効ということは、元本の返済がとっくに終わった状態なのに返済を続けたことになります。つまり貸金業者に支払い過ぎたことになるのです。この支払い過ぎたお金を過払い金といいます。過払い金は最高裁判所の判例で返還請求ができます。

簡単にいうと、過払い金請求は不当に支払い過ぎた自分のお金を正当に取り戻す行為です。したがって、「借金完済したので貸金業者と関わりたくない」「お金を借りられて助かったので請求しなくて良い」というものではないのです。自分のお金ですのできっちりと返してもらいましょう。

グレーゾーン金利分を返済していたため発生する過払い金ですが、ある法律事務所の平均では1人当たり約82万円でした。過払い金請求を行える対象者は全国に約500万人はいるとされています。過払い金は元々自分のお金ですので取り戻しましょう。

みなし弁済

グレーゾーン金利が助長されてきた背景にみなし弁済という法制度がありました。みなし弁済は撤廃されていますが、未だにみなし弁済を主張し、過払い金の支払いを拒む貸金業者があるのも確かなので説明します。みなし弁済とは、利用制限法の上限利息を超えた利息を有効な利息の弁済があったとみなす制度です。

みなし弁済が成立する要件は以下でした。

  • 貸金業者が貸金業登録しているか
  • 貸付の際に17条書面を借主に交付したか
  • 弁済を受領した際に18乗書面を借主に交付したか
  • 借主が約定利息を利息の支払いと認識していたか
  • 借主が任意で約定利息を支払ったか

非常に簡単な要件です。任意というのは無理やりではないか程度ですので、貸金業者が貸金業登録していれば、書面の交付をするだけでみなし弁済が成立していたのです。しかしこのみなし弁済も最高裁判所第二小法廷平成18年1月13日の判決で厳格な判決が貸金業者にいいわたされました。

平成21年にみなし弁済は完全に撤廃しています。ですから貸金業者がみなし弁済を主張してきたからといって泣き寝入りしてはいけません。

過払い金があるか確かめる方法

では、自分に過払い金があるかどうかはどのようにわかるでしょうか?それには取引履歴の取得が必要になります。過払い金があるかどうかは、貸金業者からの借入金と返済した額、金利を知る必要がありますので取引履歴を開示してもらう必要があるのです。

取引履歴の開示請求は、一般的には文書で行います。借入をした人の氏名、住所、生年月日、カード番号、契約番号を記載して取引履歴開示を請求するとよいでしょう。「取引開始からの取引履歴を開示してください」と一文添えましょう。

本人確認も必要になりますので、運転免許証やマイナンバーカード、パスポートなどの本人確認できる書類のコピーも同封しましょう。必ずしも文書で請求するという決まりはありませんので、問い合わせ電話番号がある場合は、電話で行うこともできるでしょう。

貸金業者は取引履歴開示の義務があります。そのため取引履歴開示を請求すれば応じてもらえます。しかし「廃棄したため取引履歴を開示できない」と主張する貸金業者もあるので注意が必要です。取引履歴を入手したら引き直し計算を行います。利息制限法の上限利息で計算し直すのです。

過払い金の計算方法

過払い金の引き直し計算の方法は簡単にいうと、本来払うはずの額を算出して、払い過ぎた分を計算します。

例えば、27%のグレーゾーン金利で20万円を借入したとします。1年後に利息は5万4,000円付きます。しかし利用制限法の上限利息は、10万円以上100万円以下は18%です。ですから利息は本来3万6,000円支払えばよいはずでした。

実際に支払った総額25万4,000円から、本来支払うべきだった23万6,000円を差し引けば、1万8,000円多く支払ったことになりこれが過払い金になります。しかし実際には借入や返済を繰り返しているうちに、計算は複雑になっているため、その場合は弁護士や司法書士に計算してもらうのがよいでしょう。

簡単に引き直し計算できるフリーソフトがあるかもしれませんが、貸金業者に相手にされないことが多いです。引き直し計算は弁護士か司法書士に依頼するとよいです。

グレーゾーン金利で返済していたなら過払い請求をしよう

グレーゾーン金利についてお伝えしました。グレーゾーン金利は平成22年6月17日まで適用されていた出資法で定められた上限利息と利用制限法の上限利息が違っていたことから起こった金利のことです。

グレーゾーン金利で支払った利息は本来返済しなくてよいものだったため、払い過ぎたものは過払い金になります。ですから過払い金請求というのは自分のお金を正当に返してもらう行為です。しかし貸金業者の中にはみなし弁済を主張する業者もありますのでみなし弁済が撤廃されていることを覚えておきましょう。

過払い金があるかどうかは引き直し計算をするとわかります。何度も借入や返済を繰り返した場合、引き直し計算は複雑ですので弁護士や司法書士に任せるのがよいでしょう。

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